ふきのとう味噌
実家から荷物が送られてきました。
その中に入っていたのが、「ふきのとう味噌」。
いやー、何年ぶりだろうか、ふきのとう味噌を味わうのは。
自家製ふきのとう味噌を送ってきた父は、電話の向こうで「塩気が効きすぎた」って言ってたけど、ごはんのお供にはちょうど良かった。
少し箸でとって口に運ぶと、独特の苦味が口の中に広がり、これまた独特の香りが鼻腔を抜けてゆく。
あぁ~、懐かしい!
子供の頃は、苦手だったなぁ。
なんで大人はこんなものを食べるのだろうと、真剣にそう思っていました。
以前、熊は毒があることを警戒して苦いものを食べないということを知りましたが、子供の頃の味の好みって、案外自己防衛的なものなのかも知れませんね。
思えば私の場合、においがきついものは、大体苦手でした。
偏食という訳ではなくて、食べはするんですが、においに敏感だったため、おいしいと感じなかったんです。
海も山も近くて、新鮮な魚介類や季節の野菜・野草にも恵まれていたのに、今から思えば勿体無い話ですが。
ところで、ふきのとうって漢字で書くと「蕗の薹」です。
ふき=蕗(山とかに生えている「フキ」です)
とう=薹(アブラナやフキなどの花軸や花茎のこと)
つまりフキの花の茎なんです。
初めて知ったときは、恥ずかしながら「え、ふきのとうってフキだったの?いや~、てっきりフキノトウっていう植物かと思ってたぁ。」です。
自生しているふきのとうが目に付くようになるのは、大体花が咲く前の葉が開いた状態の時なんですが、実家のあたりでは、ここまで育ってしまうと食べません。ふきのとうとして価値があるのは、葉が開く前のつぼみの時です。下の写真のように、つぼみが少し開いたものでも苦味が強くなるので、小さくてしっかり閉じた状態のものだけを選びます。
だからふきのとうの旬の時期はとても短いです。
今回は父の気遣いのおかげで、本当に久しぶりに実家のふきのとう味噌を堪能できました。
たとえ当時は苦手だったものでも、その味が子供の頃の記憶を蘇らせてくれました。
ふきのとうやふきのとう味噌は、今や通販でも買えるようですが、きっと実家で作ったものとは味が違うんだろうな~と思って、まだ試したことはありません。